野菊

庭先ではシオンの花や

孔雀草が賑やかに咲いています。

でも、僕はノコンギクやヨメナの区別が付かないのです。
いずれもキク科の花ですが、野菊とは趣がかなり違いますね。

何故に、こんな所でひっそりと、咲いているのか・・、
でも、それがまた僕にはいつも気になる花でもあるんです。

野菊と言うと、若かりし頃感動した伊藤左千夫の「野菊の墓」が直ぐに連想されますが、
野菊の墓の野菊は「カントウヨメナ」でだろうとされていますが、
墓の周りのような湿っぽい場所を好み、花は濃い紫色に咲くと言われています。
          
 『秋草のいづれはあれど露霜に痩せし野菊の花をあはれむ』・・伊藤左千夫

最近では、歌人としては話題になることも少なくなった感のある伊藤左千夫ですが、
小説「野菊の墓」の作者として、不朽の名を残すことになりました。

「野菊の墓」は、この淡い悲恋の物語を、左千夫は、短歌と同じように、
平坦な語り口で淡々と書き記しています。
淡々と語られるこの悲恋のはかなさが読者の胸を打ち、
最後の部分で政夫の母が自分の仕打ちを詫びる様は読者の涙を誘います。

小説「野菊の墓」は、夏目漱石によって賞賛されたことで、
その後有名になりましたが、基本的には地味な純愛小説でした。
そして、「野菊の如き君なりき」として映画化されたことで、
以降は「野菊の如き君なりき」の原作として知られるようになりました。

古い映画では信州の千曲川が背景になっていましたが、その一コマで
「政夫さんは竜胆(りんどう)の様な人だ」「民さんは野菊の様だ」・・
こんな素朴な遣り取りは木下恵介監督の脚色によって、より素晴らしい出来でした。
その後の映画では、山口百恵も松田聖子も演じていますね。
本来の小説の舞台である松戸市の矢切の渡しは、 すっかり有名にもなりましたが、
晩秋のころ、政夫と民子の純愛に思いをはせながら、一度この川べりを歩いてみたいなと思います。
その前に、是非ともリンドウの花が咲いている所を見つけて来なければ!
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by hirospace | 2005-09-23 18:56 | 草花 | Comments(3)  

Commented by mayaha at 2005-09-23 22:38
野菊の墓のノギクは関東ヨメナなんですか、ノギクは難しいですよね~以前はヨメナと信じていたものが、ほんまにヨメナかしら?と悩んでしまいます。
Commented by takako at 2005-09-24 03:32 x
いろんな呼び方があってヨメナと言う呼び方も耳慣た名で好きです。野菊の墓は白黒の映画もカラーになってからも見ました。手に持った野菊がしんなりしているように見えた映画もありました。舗装されていない山道でヨメナを見つけるとまた会えましたというきもちになります。鉢植えで持っていますが野で出会うのが一番嬉しい。可愛く撮れていて嬉しい。
Commented by maikasatis at 2005-09-24 09:34
お庭で シオンや 孔雀草沢山咲いているのですねぇ、凄く綺麗です
4枚目の ひっそり咲いてる一輪 の お花も 好きです☆
「野菊の墓」政夫と民子の会話思い出します
青春の 淡い 1ページです(^^)

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